ヴィム・ベンダース(映画監督)のようにはいかないが、吾輩が日頃から気になる風景を切り取ってみた。
尾道の歴史は千年、ちょっと掘れば鎌倉、室町時代が現れる。そんなわけだから、ほんの少し前までは尾道に住む市民も行政も、悲しいことに明治、大正、昭和なんて歴史とは思っていなかった。明治時代の代表的建造物であった旧協和銀行、昭和の鉄骨リベット式の県営上屋1号棟、駅前の戦後バラック市場など多くの記憶をこの十数年の間に簡単に捨ててしまった。(...なんて愚痴はもうやめよう。)
それでも大切なことがある。「新しいこと」と「美しいこと」とはまったく違った意味をもつ言葉だということだニャン。新しくても見苦しいもの、古くても美しいものがあるということ。云ってみれば「尾道美」(尾道の美の基準)というものもあると、吾輩は思うのだが...。猫のたわ言であろうか。
ベンチの後ろに佇む鉄筋コンクリートの塀。ボロボロに朽ちていくけれど、未だカクシャクとして半世紀以上の流れゆく時代の風景をジッと見つめている。(都市計画に沿った道路拡幅と庭園の一般解放のため、この壁は2006年9月その姿を消した。)
子どもの頃に夢中になった隠れんぼ、その絶好の場所といった感じの凹みだなぁ。気持ちばかり世の喧騒(目の前の国道2号線と上には山陽本線)を遠ざける非難の場所か。ちなみに凹みの奥には昔の石垣が見える。
半世紀も経てば、これはもう遺産だね。なに気なしに見る煉瓦と石積みのガードもいい味が出てるねぇ。今から115年前に開通した山陽本線が単線であった時分のものだと思われる。
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