尾道七佛めぐりの一つ、浄土宗持光寺(平安の時代に天台宗の寺として草創された)には国宝・絹本着色「普賢延命像」(1153)や江戸時代の女流画家・平田玉蘊の墓があることで知られているが、もうひとつ有名なのが「にぎり佛」だ。
松岡昭禮(まつおかしょうれい)ご住職は、大の陶芸ファン。あるとき、ご住職が土に向かい作陶中、手に残った粘土が佛さまのお顔に見えた。これは一塊の土の中にも佛が宿っておられる証と思われ、寺内の「お庭窯」で焼かれたのが「にぎり佛」の始まりという。
ということで、灯台下暗しで、恥ずかしながら「にぎり佛」づくりは、吾輩は今回が初めてのチャレンジであった。
「にぎり佛」誕生まで
(1)まず、粘土全体の長さの2/5くらいを佛さまの頭部として確認する。次に必ず左手で粘土の頭部の位置から下あたりをかるくつかむ。
(2)テーブル上に準備されている棒を粘土の下部から上に向け、ええ〜いと差込む。このとき差込み過ぎて粘土の上部に貫通させないように。
(3)右手で棒を掴み、粘土をつかんだ左手は親指と薬指が重なるように、「願いを込めて」しっかりと、グニューと握る。
(4)差込んだ棒を回しながら、ゆっくりと粘土から抜いて行く。棒を抜いた後、握りしめていた左手を離し、にぎった跡が変形しないよう軽く粘土をもち、底部を整える。
(5)ご住職が佛さまの正面を確認する。
(6)佛さまの耳をつくるため、頭部の両端を軽くつまみ出しながら形を整える。
(7)次に親指と人さし指で目のくぼみと鼻筋をつくる。吾輩の経験では、このとき煩悩滅除を歌いながら邪念を払い、無心で素直に指を動かすこと。
(8)いよいよ佛さまのご尊顔を描く。吾輩はヘラで優しいお顔を浮き出させた。最後に眉間に白毫(びゃくごう)をつけ入魂。写真/上が吾輩の「にぎり佛」だ。
老いも若きも幸せになる「にぎり佛」
「にぎり佛」のお顔は、人それぞれ、猫それぞれに品格が現れる!!ものだと、皆で大笑い。不思議と作者の顔と「にぎり佛」のご尊顔が似ていることに、皆また爆笑!! 中には笑い転げるものも出て、佛の御利益を実感した次第。これぞまさしく体験学習とか生涯学習にぴったりの物件だニャン。
一度でも世界に一つしかない「にぎり佛」を誕生させると、もうこれはハマってしまう。
作られた「にぎり佛」は「お庭窯」で焼かれ、
持光寺の本尊 五却思惟の阿弥陀如来の御前で、お香を頂き、作者の手元に送られてくる。
ここでちょっとしたアドバイスを。粘土から「にぎり佛」に生まれ変わられるとき、ちょっとばかりスリムになってこの世に姿を現わされる、ということを念頭に入れ「にぎり佛」づくりにあたるとよい。
*にぎり佛制作料 1,500円(送料240円は別)