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タヌキの【ぽんた】とお好み焼きの関係はいかに

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ぽんたお好み焼店/PontaOkonomiyaki


ぽんたお好み焼店/PontaOkonomiyaki

40年の歴史を付けて暖簾分け


「ぽんた」という屋号を聞いて、吾輩はちょっと興味を覚えた。何だか分らないが、タヌキを連想させたのだ。かつては昼寝寺といわれ、親しまれていた浄土真宗浄泉寺の土塀に沿って、真言宗醍醐派大本山の西國寺に通じる緩やかな坂道を昇る。レンガ坂入口を左手に見ながら、右折し西郷寺に抜ける古寺めぐりコースに入るとすぐ左手に「ぽんた」があった。店先には想像通り、沢山のタヌキの焼き物が置かれている。のれんをくぐり中に入った。先客の御婦人方がお好み焼きを食べながら、歓談していた。
ぽんたお好み焼店/PontaOkonomiyaki
「ぽんた」はご主人と奥さんの二人三脚で営まれている。開業は2001年というから、「まだ新しいんだ」と思って詳しく聞いてみると、そうではない。実は、この店の裏あたりで40年くらい「お好み焼き」を営んでいたお婆さんが、廃業することになった。ちょうどその頃、ご主人渡辺さんが病でサラリーマンを止め、術後の自宅療養を始めたので、奥さんが「お好み焼」屋をしようと思い立ったのだ。
世の中良いこともあるもので、お好み焼きのベテランのお婆さんが、設備から技術まで、40年の歴史を総べて渡辺さん夫婦に伝授しようということになった。俗にいう「のれん分け」以上のもので、お婆さんのお好み焼き屋は、店名を「ぽんた」と改名して45〜46年は継承されてきたものだと解釈できる。

実在のつがいの「たぬき」の愛称が店名となり


店内には、その広さに比べ、やや小振りの鉄板とカウンター、椅子の組み合わせが2組置かれている。一つの鉄板は繁忙時期に備えて、ただいま休眠中といったような感じで、段ボールで蓋がしてあった。仕入れはちょっと陽気なご主人の担当で、焼く係が奥さんだ。生真面目な奥さんはお好み焼きに全身全霊を注ぎ込み、どちらかといえば口数が少ない。生地を丁寧にお玉の背で丁寧に丸く延ばす。削り節をパラパラとまき、その上にキャベツ、麺をギュッ、ギュッと押さえながら置いて行く。その傍ら、注文に応じた魚介類や肉など具を鉄板で焼き、その上に載せ、更にこの店の特徴であるネギと天かすを置き、最後は再び生地を全体に垂らして焼き上げて行く。ぽんたお好み焼店/PontaOkonomiyaki

奥さんは最後の最後まで力を抜かない。そんな姿勢で焼き上げるだけに、忙しく成ればなるほど余計に無口になって、お客に無愛想だと誤解されることがあるという。そんな奥さんだが、ご主人とぽんたのことになると饒舌になる。「お客さん、後ろの絵をみてくださいよ。主人が書いたんですよ。」と誇らし気だ。壁には静物画が数多く飾られていた。ご主人は額を作ることに興味を覚え、その制作に没頭していたが、いつしか今度はその中身を創ろうと絵を描き始めたという。日曜画家としてはなかなか力作だ。そしてその下には、タヌキの「ぽんたご夫妻(?)」のツーショットが大切に飾られていた。
お好み焼きを食べながら、店主の渡辺ご夫妻と歓談していると時間を忘れてしまった。
<追伸>「ぽんた」の営業時間は朝10時から夕刻の大体19時頃ということだが、19時過ぎて「のれん」がかかっていなくても、店内に明かりがあれば、遠慮なく引き戸を開ければ良い。快く応対してくれる筈。定休日でも事前に予約しておけば、お好み焼きにありつける確率は極めて高い。(2006年1月)
  • ぽんたお好み焼店/PontaOkonomiyaki
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