ゆったりとした吉備路の広がりの中で、すらりと建つ国分寺の塔の美しさが脳裏に焼き付いていて、新年そうそうまたやってきた。
田畑の中、山門まで続く緩やかな坂道の参道をゆっくりと歩みながら、時折畦道にそれる楽しみもある。緑の中に紅い椿が映える。
正月のためか、やはり参詣者が多い。願いを込めて打ち鳴らされる鐘の音がキリッとした空間に響き渡る。ゴーン、ゴーンと響きながら、その余韻が心地よく実に美しい。
音のある風景、空に建つ五重塔、茅葺きの清楚な美しさ、これが「日本の美」なのだと吾輩は、改めて納得した。

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