「壽齢」は、長寿を祝うという意味で名付けられ、尾道人には馴染みの地酒だった。
ところが、尾道に一つしかない蔵元も時代の流れで、1981年この三軒家の蔵では酒造りを止めてしまった。以来、十数年が経過した。
1997年の春、そのことを惜しむ尾道人数名が主人を口説き、新たな「地酒」をつくろうと動いた。
吉源酒造場当主の吉田均さんは熟考の結果、せめて「壽齢」のブランドだけでも復活させようと、製造を福山市の蔵元に委託し、新たに「おのみち壽齢」を誕生させた。
歴史を味方にしながら、新たなものへチャレンジする精神は、先々代がつくった蔵元の看板に見る遊び心にも通じている。
それにしても、よ〜く見ると、空の酒瓶の中には電球がつくように工夫してあるのだ。凄いね、イルミネーションのある蔵元の看板なんて、当時は随分とモダンだったのだろうね。
「毎日一本づつ酒を飲み干し、空瓶を看板に飾りつけた」と思えるような、とは左党の吾輩の弁。

(吉源酒造場 三軒家町☎0848-23-2771)









