「YOKOHAMA 別れの町 霧の中に おまえが 消えてゆく...」
矢沢永吉のYOKOHAMA FOGGY NIGHTが何故か頭に浮かんで来た。
突っ張りだけで田舎から憧れの都会に出た若い日、ちょぴり大人になった今、すべてが甘く懐かしい。そんな過ぎ去った感覚を思い起こしながら、今は横浜に居を構える旧友と別れ、ホテルに向かって歩いていた。
目指すはパンパシフィック横浜ベイホテル東急という、吾輩にとっては身分不相応な贅沢なホテルで、ここが今夜のねぐらというわけだ。
ほろ酔い気分の千鳥足でホテルに向かっていたら、テレビ画面でみた、ランドマークタワーや巨大な観覧車のイルミネーションが見えてきた。
久々に、三十年もの間、愛用してきたステレオラックのLPコレクションの中から懐かしい4枚の矢沢永吉を取り出し、ジャケットを眺めてみた。GOLDRUSH、KAVACH、KISS ME PLEASE、RISING SUN、YAZAWA...アッという間に流れ去った日々、あれからもう数十年か....。
「古い映画のように 流す涙 霧がかくしてゆく 本気で愛した夜 グラスにこぼれ 落ちて 思いきりドライな カクテル 黙ったままの Foggy night」
不思議なくらい歩く人は少なく、観覧車のイルミネーションだけが、一定の間隔で点滅し夜空を飾っている。都会の寂しさを象徴しているようだ。
ホテルの部屋に帰り、テラスに出てて、オートマチックに無機質な光を放ち続ける大観覧車のイルミネーションをしばし見詰める。アルコールで火照った肌に吹く風が優しく触れていく。今宵は、少しウエットに浸るか。









