そんな不満を解消してくれる美しい美術館が四国の丸亀市にある。建築家・谷口吉生氏設計の「丸亀市猪熊弦一郎現代美術館」(MIMOCA)がそれだね。
美術館の正面(写真/左上、中)に立つだけで、それを予感させる。予感させるというより、全身の細胞が覚醒するような感覚に被われるというべきか。
宗教心のない吾輩・路地ニャン公でもヨーロッパの教会で賛美歌を聴くと、爪先から頭のてっぺんまで電気が走るというあの感覚に似ているのだ。口の悪い御仁は吾輩の全身を被う純毛のせいだというが...。
まっ、ものごとに反応しやすいというのはそれだけ鋭敏であるということだ。鋭敏であれば、見えないものまで見えてくる。美とは見えるものばかりとは限らないのだ。
吾輩のへたな説明より、「百聞は一見に如かず」というではないか。時間がない、芸術には興味がないという御仁は、美術館の中に入らずとも、正面左の長〜い階段(写真/左下)を登り、カフェミモカで茶やケーキを食べながら、壁面に流れ落ちる水を背景に猪熊弦一郎とイサム・ノグチの作品を据えた静寂の空間を眺めているだけで、心豊かになるというものだ。
猪熊弦一郎現代美術館は何度でも訪れてみたい美術館である。









