臨済宗の古刹、大本山仏通寺の参道にはうっそうとした大杉の並木が続き、禅寺に相応しい静寂が周囲を被っている。
やがて右手に開山堂と書かれた石碑が見える。堂に通じる石段は湿気を帯び何かしら気掛かりだ。何かに誘われるように石段を登っていくと、紅葉が木漏れ陽を浴び、透き通った緑色を見せて美しい。登り詰めると朱色の多宝塔が姿を現し、その手前斜面に十六羅漢像が睨みを利かしていた。
今来た石段をゆっくり下り、ふたたび参道に帰り先に進むと、苔が生し、水しぶきを上げながら流れ落ちる細長い滝が目に止まる。
清流を跨ぐ屋根付の巨蟒橋(きょもうばし)を渡ると仏通寺の山門だ。蟒とは 「うわばみ」の意味で、大蛇の橋ということらしい。
すぐ正面には仏殿にあたる宝蔵があり、その奥には大方丈、正面右手には座禅道場があるようだ。そして大方丈の玄関には、伊万里圓通寺・長谷川大道老師作と書かれた高さ1.5mはあろうかと思われる大きな木彫の達磨禅師がどかっと置かれていた。
境内には樹齢数百年の臥龍の松が枝を延ばし、涼し気な木陰を作っている。

と、突然耳をつんざく木を打ならす音に驚かされた。けたたましく何十回と打ち続けている。その音のする方向を見た。すると生け垣の向こうに坊主頭がちらっと見えて、何だか木槌で木を力いっぱい打ち鳴らしているのだ。
後ろめたい気持ちを押さえ、フォーカスすることにした。差し足忍び足、...どうやら修行僧が業として行っているものらしい。それにしても実直な吾輩、少しばかり心の臓がドギマギしたニャン。

この仏通寺、秋の紅葉もまた格別だ。










