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油岩(ゆいわ)のいわべえには、江戸時代からの長〜い歴史がある

お好み焼き/Okonomiyaki> いわべえ/Iwabee

いわべえ/Iwabee


いわべえ/Iwabee
長江口から薬師堂通りに下り、本通り商店街を尾道駅方面に入って右手五軒目、風情のある漆喰の壁に屋号の『油岩(ゆいわ)』と彫られたどっしりとしたムクの木製看板を掲げる店がある。この店、4分の3が漆器屋さんで、残り4分の1がお好み焼き店『いわべえ』だ。
漆器屋『油岩』の歴史は、江戸時代にさかのぼるという。もともとは、油屋『岩兵衛(いわべえ)』という屋号を持つ尾道の商人(あきんど)であった祖先が、1804年(文化元年)に油屋から漆器屋に転業、屋号も油屋の「油」と岩兵衛の「岩」をとり、『油岩』としたという。ということは、この漆器屋さんは今年(2006年)で202年も続く漆器屋の老舗か...と吾輩はひとりごと。
そういうわけで、ここのご主人は数えて九代目、団塊世代ど真ん中の藤井央(ひろし)というお方だ。そんな九代目が祖先に習ってか、偶然か、年号の変わり目の平成元年、転業ではなく多角化で『お好み焼』を始めた。それ以来、奥さんと二人三脚で漆器屋「油岩」とお好み焼の「いわべえ」を切盛りする。創業18年目のお好み焼「いわべえ」の由来がお分かりいただけただろうか。いわべえ/Iwabee

さて、いよいよ本題に移ろう。『いわべえ』のお好み焼きメニューは、いわべえ、スタミナ、ミックス、シーフード、イカ天入り、スナズリ、ブタと焼うどんに焼そば、そして季節限定で牡蠣入りがある。すべてのお好み焼きにはうどん叉はそばが入っている。中でも「いわべえ」はもち、ブタ、イカ天入りの看板メニューだ。これにお好みで山盛りのネギ(100円)かけも可能だ。お好み焼きの焼き方は、一部尾道風だが、コテで押さえず、広島風に蒸し焼きにする。
興味を引くのは、戦前に流行ったという「一銭洋食(いっせんようしょく)」を8年前に再現し、特別メニューに加えたことだろう。「一銭洋食」(写真/下)の焼き方はもちろん尾道風で、お玉で生地を鉄板の上に円を描きながら焼くことから始まる。次に生地に削り節をかけ、薄切りレンコン、蒲鉾の具を順次載せていくのだが、『いわべえ』では新たにキャベツを加える。あとはテコで力強く押さえて焼く。「一銭洋食」の最後の味付けは、通常のお好み焼とは違ってウスターソースだ。
不思議なことに、この店のメニューには肉(牛)がない。BSEの影響かと聞いてみたら、『全く無関係』との回答。総じて、お好み焼『いわべぇ』の隠し味は、天カスと少量のラードだ。(2006年2月)
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