「坂のまち、尾道」と言われる尾道で一つしかない珍しい坂のある陸橋をご紹介しよう。
JR西日本の山陽本線尾道駅正面改札口を出て、左折(東へ)して国道伝いに歩くこと5分、。右手に見える広島総合銀行の斜め前あたりに、国道2号線から線路を越えて山手に渡る陸橋がある。実はこの橋にも尾道の歴史が刻まれている。
映画「ふたり」(映画監督/大林宣彦)でお馴染みのあのシーン(と云ってもわからない人もいるか!?)が思い出される、ファン必見の陸橋である。
この陸橋は、よ〜く見ると鉄道のレールで出来ていて、現在では見ることのないリベット止めという方法で作られた貴重なものだ。
今では、この手作りの技法は、残念ながら経済的コストの面からも再現できない。それだけに大切にしたい物件の一つだ。
鉄錆びの色といい、にほひといい(おっと、人間様にはこの微妙な匂いは判らないか。)妙に落ち着くのだ。と書いてはみたが、最近、陸橋保全のため、新たにペンキが塗られていた。
この陸橋は、東側からは石段、西側からは自転車やバイクの通れる坂道という機能的にも優れもので、今も現役で活躍中だ。
ちなみにこの陸橋には「とろとろ坂」という歴とした名前がある。なぜそういう名前が付いたかは、命がけで、車でこの坂に進入すれば、すぐに分かるだろう。(吾輩はあまり勧めない...。というのも、上にあがっても車の方向変換ができないのだ。!!)