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バリ島とジャワ島の「千円商法」

日本では無くしてしまった「時間という流れ」がここに...。
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 1996年11月バリ島を訪ねた。今回が二度目で、一年半振りの旅となった。
 一昨年は、確か6月中旬に小社が企画したツア−で、広島空港発シンガポ−ル経由でバリ島に入ったと記憶している。シンガポ−ル、デンパサ−ル、そしてウブドゥにそれぞれ宿泊し、再びシンガポ−ル経由で帰路という4泊6日の行程は少々よくばりで、3日間の短いバリ島の滞在であった。
 それでも、バリ島特有の幟が風切るビュ−ンビュ−ンという唸り。ときおり手にするロックグラスの中で氷が奏でるチリンチリン。そんな音色に耳を傾け、夜空に輝く南十字星を見つめていたバリ・ヒルトンのテラスでのひととき。ウブドゥのホテルのレストランから眺めたのどかな谷間の田園風景は忘れがたい。
 9割方の住人が絵描きというこの村では、毎日どこかの家でお祭りが行われ、村人は協力してその準備に忙しい。田んぼでは、アヒルの一大家族が隊列を組み、除草にいそしむ。今でも私の脳裏に浮かぶバリ島の記憶は鮮やかだ。

 日本では木枯らしが吹く初冬のこの時期に、南国にいるだけでも幸せだ。今回は、オ−ナ−研修ということで、デンパサ−ルのホテル・ニッコ−・バリを根城に4泊6日の旅だった。私たちは旅行業者の研修ということで、世間一般には通用するのだが...。
 しかし、バリ島には、○○県商工会役員研修ツア−とかいった日本の団体客が多く見られる。どこを研修されるのだろうと興味深く思っていたが、考えてみれば、寒い日本を離れて、素朴なココロが今も生きるこのバリ島に精神修行にこられたのだろうと、そのときは勝手に想像した。
 今回のツア−は、前回同様バティツク、木彫、彫金の各工場見学に始まり、ジャガトナタ寺院やバリ博物館、ガムランという楽器が奏でる音楽にバロン、ケチャッ、レゴンという独特のダンス見学といったバリ島の定番を復習することとなったが、初めて訪れたところも数多くあった。
 ティルタ・ウンプル寺院にある透き通った泉にこんこんと湧き出る聖なる水、名前を聞くだけで笑ってしまうキンタマ−ニ高原とバトゥ−ル湖、そしてジャワ島のボロブドゥ−ルとプランバナンといった巨大遺跡だ。

 私だけではないだろうが、見るものに感動を覚えたとき、人は一瞬「私はプロの写真家」だと錯覚する。そして、不思議なことに、出来栄はどうであれ、帰国して写真を現像し、眺めるたびに改めてその感動が蘇る。それだけ最近のオ−トフォ−カスのズ−ム付きバカチョンカメラは優秀ということか。
 それにしても、今回の私の写真には、実に花が多い。植物にさして興味があるわけではないが、バリ島の花たちには魅了させられたわけだ。正確には花のある風景(空間)に魅了させられたと言った方が適切だろう。
 バリ博物館裏の池に咲く睡蓮、彼方まで青く広がる南太平洋を借景にしたホテルのテラスとブ−ゲンビリア(だと思う)、そしてプランバナンを遠景に一本孤立した樹木に咲き誇る花たち。天国に最も近い島といわれる由縁か。

 この旅で、今でも強烈に焼き付いている風景が三つある。目を見みはるほど華麗なプランバナン寺院、ジャワの田園地帯で繰り広げられる農作業風景、そして夢にまで出そうな壮絶な「千円商法」だ。

 バリ島を<訪ねて、ジャワ島に行かないなんて、愚の骨頂だと思った。いろんな意味でそれほど強烈なのだ、巨大遺跡のボロブドゥ−ルとプランバナンは。
 バリ島デンパサ−ル空港から飛行機で約1時間、ジャワ島のほぼ中央に位置するジョグジャカルタに降り立ち、ボロブドゥ−ルとプランバナンを訪ねた。ボロブドゥ−ル遺跡に近づくにつれ、バスの車窓からは田園風景が眺められる。
 ジャワ島もバリ島と同じく自然の恵み豊かで、田植えと稲苅りが同時に見ることができるのだ。そののどかさは、日本では失った「時間という流れ」を感じさせるに十分だ。

 天国があれば非情な現実もある。バスを降りた途端、私たちは数名の売り子に取り囲まれた。異口同音に「千円、千円!」。バティツクらしきハンカチが三枚千円が、十枚千円となり、再びバスに乗車する間際には三十枚が千円となる。どんなに無視しても容赦しない。「千円!千円!」。ほとほと疲れてしまった。
 この「千円商法」のおもてなしがプランバナン、キンタマ−ニ高原やバリ博物館、ティルタ・ウンプル寺院と続くのだ。彼等の商いは、顧客が満足する数量まで延々と続く。
 いわゆる物々交換の市場原理がしっかりと働いている。正札という概念がない。これは彫木、彫金、バティツクその他の買い物でも同じこと。商品に書かれた値段は、実際の取り引き価格の2倍から3倍が当り前ということなのだ。そんな事前の知識がないと、少々高い買い物となる。郷に入っては郷に従え。

 「千円商法」は実に人間臭く、面白くもある。
売り手と買い手が長い時間をかけて、双方の立場の妥協点を見い出すのだから。もっとも買う気持ちがない者にとっては、甚だ一方的で迷惑千万ということにもなるのだが.....。
 そんなわけで、「○○県商工会役員研修ツア−」ご一行の目的は、この「千円商法」にあったのかと、こじつけがましく納得した次第だ。(1998.1.10)


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