というのも、道幅が狭く、何だか民家の裏口に断わりもなく勝手に入っていくような、そんな錯角を覚えるのだニャン。
そんな三好屋小路も、思い切って脇目も振らず、久保本通りに向かってずんずん入って行けば、その道幅も適度に広がりを見せて、何だかホッとする。
東の橋本小路、西の今蔵小路の間を平行して走る三好屋小路には、朱色の鳥居が目に止まる。尾道町の路地で鳥居があるのは、浮御堂小路とこの路地だけだったと記憶しているが、間違いないだろう。
それにしても、この路地がなぜ三好(三次)屋小路と呼ばれるのか、吾輩の手許には定かな証は残されていない。
両側に建つ木造の民家が、この路地空間をまるで時間を逆さに巻き戻したような雰囲気に演出する。
このモノクロの路地空間をファインダーからジ〜と覗いていると、吾輩は何だか昭和初期に生きてるようで...。
そんな幻想を思い描いていたら、紅い椿が目に飛び込んできた。

