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八勝館(その2)

魯山人(ろさんじん)ゆかりの料亭と聞いたが、ここまであるとは....。
八勝館(その2)
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 八勝館は美食家で陶芸家の北大路魯山人ゆかりの料亭と聞いていただけに、だれもが手の届くところに魯山人の器がさりげなく飾られていた。
 そんな由緒正しき名古屋の老舗の料亭で、吾輩のような庶民、いや路地ニャン公は天に昇る心地を味わいながら、「御幸の間」でゆったりと料理を味わったのだ。
 その料理については、またご紹介するとして、若女将が北大路魯山人の「トイレ」をお見せしましょうか、と吾輩たちに話しかけられた。
 「エッ、それは面白そうですねぇ」「ご案内していただきましょう」と興味津々、好奇心旺盛な吾輩たちである。
 案内されるものは、すべて見るべし。来るもの拒まず、ということで、若女将に案内されるまま、「御幸の間」とは反対方向に、玄関を過ぎ、階段を上がり、これまた館の奥まったところにトコトコ追随していったのだ。

 通されたトイレが目の前にあった。魯山人が「使った」トイレと思いきや、そうではない。魯山人が「作った」トイレなのだ。これには、吾輩たちは驚いた。壁面のタイルを除いて、小水用の便器も床のタイルも足元の踏み台も北大路魯山人の手によるものだ。
 このトイレで何喰わぬ顔をして用を足すことができたら、これは大物だと 感心するばかりであった。


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