「住吉浜公衆電話室」の評価は分かれる。「真っ赤に塗られた古ぼけた建物と使い物にならない錆びたクレーンではないか」という上辺しか目に入らぬ人。「これは凄い。あり来たりの材料で、よくもこんなに楽しくて、美しいものができるものだ。感性豊かだねぇ」と本質が見える人。
「新しい」ものが「美しい」のだと信じている人と、「新しい」と「美しい」は同義語ではなく、なかには「新しい」が「美しい」とは対極のものもあり、「古いもの」にも「美しい」ものもあるのだと主張する人の違いに似ている。
御主はどちら派?
ともかくも、ライトアップされていた「住吉浜公衆電話室(尾道市所有)」は、いつの間にか電源を切られ、夜の空間から忘れ去られていた。
そして、ついに2007年12月23日、NPOおのみちアート・コミュニケーションの声かけで、ボランティアたちによる「住吉浜公衆電話室の化粧直し大作戦」が展開された。
総勢14名のボランティアの活躍で、大掃除の後、赤いペンキを塗り直し、再びその美しさを取り戻した。
「住吉浜公衆電話室」は現在、夕刻の17:30頃から23:00頃までライトアップされ、尾道の海辺の豊かさを演出しているが、この夜の空間がいつまで維持されるものか、吾輩は少々気にかかるニャン。





