『小林和作を中心に、梅原龍三郎が、林武が
そして日本画壇のキラ星たちが、生き生きと
生きている、なんとセザンヌまで!!
その生き様をこんなに面白く描ける
かわぐちきょうじは天才である。
くやしいけれど実の兄が云っていることだ
まちがいない。 かわぐちかいじ』
原作・高橋玄洋、監修かわぐちかいじという強力な顔ぶれで、推敲5年の後、ライフワークとして完成させた川口協治の力作が、この小林和作伝『花を見るかな』だ。
色彩の魔術師といわれ、日本画壇の巨匠、梅原龍三郎、中川一政、林武に指導を受け、須田国太郎と親交のあった小林和作(1888〜1974)とはどのような人物であったのか。
芸術家というだけではなく、今では見ることのない魅力あるスケールの大きい人間像をこの本で知ることができるだろう。小林和作(写真/中)を追悼する文章の中で、中川一政は語っている。「樹が倒れたようだ。その倒れたあとの空間に青い空が見える」と。