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尾道・山手の猫(3)

バッタリ出会ってしまった。さてどうやって躱そうかと.....
尾道・山手の猫(3)
尾道・山手の猫(3)
尾道・山手の猫(3)

 吾輩、久々に千光寺山の中腹を散策することにした。石段を昇り、坂道を下り、振り返っては尾道水道(海)と町並みの変化を楽しんでいた。
 突然、目の前に草木が生い茂り、まさに植物に呑込みそうな家を発見!!フムフム、これは面白いと踵を返し、じっくり観察しようと来た道を帰ろうとした途端、出会したのだ...。

 一瞬、緊迫した空気が流れ、時が止まった。互いに動きがぴたりと止まり、呼吸さえ止まっていたかも知れない。
 相手は吾輩の視線を逸らしたまた、身動き一つしない。吾輩の脳みそは高速度で回転し始め、次の手を考えていた。瞬間、相手が速かった。ひらりと身を躱し、相手は東側の塀を一気に駆け上がった。

 あっぱれ!というほか無かった。薄汚い身なりをしてはいたが、ただものではなかった。しょぼくれた顔をしていたが、爪先から尻尾まで寸分の隙間なく、吾輩を無視するが如く、目と鼻の先の塀の上を平然と歩いて行くではないか。あれはきっと断食の荒苦行を終えた達猫に違いない。

 目の前を過ぎ去っていく相手に吾輩は何も仕掛けず見送った。それがもののふの情け。無益な争いはしない、というそれが自然の流儀だ。
 巷の賑わいとは無縁に、爽やかな潮風がこの坂道を吹き過ぎていった。




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