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行列ができるのはラーメン屋ばかりではない。尾道のパン屋さんも

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サン・モルテ/SunMorute


サン・モルテ/SunMorute

毎日、空を眺めるパン屋さん

魅力ある街にはおいしいパン屋が必ずあるという。尾道にもその言葉通り、おいしいパン屋さんがある。ここでいうパンは、ポルトガル語からきた「パン」のお店ではあるが、英語でいうベイカリー店でパンを製造して売るお店と解釈してほしい。
女社長・伊藤千代さんがサン モルテ(BOULANGERIE SUN MORUTE)というパン屋を始めたのが1981年。創業32年と思ったら、実はもっと古い歴史があったのだ。
伊藤家は伊藤栄吉商店という粉と砂糖を扱う老舗で、父栄造氏が三代目。千代さんは幼いときから製粉会社認定のライセンスを持つ母の手づくりパンで育ったという。パン屋のDNAが組み込まれていたのはうなずける。
早朝5時から仕込みが始まり、終業は夜の8時を廻ってしまう。レーズンやライ麦、林檎で種起こしをし天然酵母を作る。当然ながらあんこやクリームなど副材料も手づくりだ。毎日の天候と温度の変化に気を配り、週単位で変わるメニューも60〜70種類。サン・モルテ/SunMorute

まだ1時過ぎだというのに、すでに多くのパンが売り切れていることがよくある。それでも店内は行列ができる。
夕食用の「食事パン」を作るのが夢というサン・モルテは「太陽に向って飛躍する」という意味だ。この店の食パンは午前中には売り切れになっていることが多い。バケットは、昼過ぎて店頭に並ぶが、タイミングを逸すると買えないこともある。
そして、パンの売れ行きも早いが、アッという間に店の外装から内装まで変わってしまったのには驚いた。新築してまだ数年というのに、改築してしまったのだ。そのエネルギーたるや、まさにサン・モルテという名にふさわしい。(2007年1月)

パリッとした美しいパンの顔が見れる町

サン・モルテにも吾輩の飼い主はちょくちょくパンを買いに行くが、このホームページを大々的にリニューアルするために写真撮りをしたいと代表者を訪ねると、息子さんに代替わりしていた。考えてみると前にお邪魔して文章を書き込んだときから、アッという間に12年も過ぎていた。サン・モルテは、パン屋としては、来年創業40年を迎えるという。道理で、吾輩の手元ばかりか、足元までも不如意となるわけだ。
サン・モルテ/SunMorute
最近はベーカリーがこの小さな尾道町にボコボコできて、激戦区になっている。そのため、この町ではいつもパリッとした美しいパンの顔が見れる町となり、市民にとっては幸せな環境にある。そのパンに顔があることを教えてくださったのは、新社長・伊藤幸一郎さんで、吾輩は今日までパンに顔があることを知らなかった。
サン・モルテは、パン屋としては来年創業40年を迎え、新社長は伊藤栄吉商店から数えると5代目ということになる。いつまでも焼きたての美しい顔をしたパンを食せるように、すべてのパン屋さんが持続できる町となってほしいものである。吾輩の飼い主は、パンも好きだ。(2019年9月)

土堂2-7-16 ☎0848-25-3511  Pなし
営業時間 9:00〜18:00頃(売り切れ次第閉店)
定休日/日曜日、月曜日(時折臨時休業あり)
  • サン・モルテ/SunMorute
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