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これが世界遺産のサッシ地区か、と眼前の静まりかえった光景を感慨深く眺めていた。

マテーラ /Matera


マテーラ /Matera

オフシーズンにナポリからマテーラへ行くには?


オフシーズンのこの時期に、ナポリから一泊二日でマテーラに行くには、どうしたらよいか。「地球の歩き方」やネットで交通事情を調べたが、うまく行かない。結局、JTBヨーロッパの現地情報で、列車でフェランディーナへ行き、マテーラ行きのバスに乗り換え、帰路はバスでフェランディーナへ行き、ナポリ行きのバスに乗り換えるのが一番都合が良いとわかった。
フェランディーナからバスで約30分、2011年12月19日(月)の午後2時にマテーラ中央駅に着いた。駅に着いたのはいいが、イメージとは全く違っていた。鉄道の駅だと思っていたから、タクシーの1台、2台はいるだろうと高をくくっていたのだ。
鉄道の駅舎らしきものは見当たらない。さて、ホテルはどこにあるのか。どうにかしてタクシーを捕まえなければと、三人がキョロキョロして見たがわからない。通りすがりの人に聞いてみたら、TAXIベイのようなポールがあり、それに付いている電話機で呼ぶらしいとわかったが、あいにく電話は繋がらない。壊れているらしい。困ったと思っていたら、離れたところに公衆電話があるのに気付いた。勇んで公衆電話に行ったものの、電話がうまく繋がらない。ダメだ。どうするか、と考えてみると、簡単な答えが浮かんだ。携帯電話でホテルに電話してタクシーを回してもらえばいいのだ。異国に居ると、単純なことがわからなくなる。10分も待たない内にタクシーが迎えに来た。

サッシ地区であわや迷い子に、と思ったが...

タクシーに乗りホッとするのも束の間、車はマテーラからどんどん離れた郊外を走っていく。高速で20分くらいは走ったのではないか。「ヒルトン・ガーデン・イン・マテーラ」というホテルは、世界遺産のサッシ地区から随分遠く離れた、周囲が野原に囲まれたのどかなところにあったのだ。これには参った。街に行くにはタクシー代が嵩む。マテーラで泊まるのは、サッシ地区の中にあるホテルが一番いいのではないか、と思ったが泊まったわけではないので保証はできぬ。
午後3時、再びホテルにタクシーを呼び、「世界遺産のマテーラ」に向かった。目的の地に着きタクシーを降りてみると、前日のパステルカラーのプローチダ島とは、まったく異なったマテーラのサッシ地区に圧倒された。道路も建物もすべて同色の石で造られている。
サンタ・マリア・デ・イドリス教会からブラブラ1時間半も歩いただろうか、いつの間にか、静寂と寒さの中でどんどん周りが暗くなっていった。そろそろサッシ(洞窟住居)地区から抜け出し、新市街地に行こうと思ったが、どの道を進んだら抜けるのかさっぱりわからない。ドウオーモに向かえばわかるかも知れないと、上に上にと昇って行ったが、道に迷ってしまった。
人影の少ない遺跡の中で何とも心細い思いをしながら、吾輩はぐっとこらえて先頭を歩いていたら不思議に新市街地に出ることができた。
新市街地にでたものの、ヨーロッパのレストランはどこも開店が遅い。マテーラでの夕食レストランと決め込んでいた「ダ・マリオ」の場所を確認し、開店までの二時間半をどうするか、考えた。街を歩いていると寒さが身に凍みる。結局、お菓子屋さんでお茶を飲み体を温め、ちょっとした夜店も寂しげで、ほんの少しクリスマス色に染まった街を寒さに震えながら、また散策した。マテーラの中心市街地は、陸の孤島というイメージとは全く異なり、落ち着きがあり、少しばかりシャレていて街並みが奇麗だった。
寒さと空腹で八時前ではあったが、店に行くと運良く店を開けてくださった。デジカメで撮るのを完全に忘れ、おいしい料理を食し、ワインを楽しみ、吾輩たちはご機嫌よろしく、タクシーに乗り野原に囲まれたホテルに帰った。食べ物良ければ、すべて良しだ。

ガイド役の運転手君、一方的なイタリア語で吾々には全く理解できぬ!!

翌日、ホテルのフロントが気を利かせ、観光タクシーを呼んでくれた。今度はサッシ地区に北側から入り、昨日とは違ったサッシの顔を見せてくれた。それにしても、案内は片言の英語でもなく、純粋のマテーラ訛りのイタリア語だ。我々はほとんど何を言っているのかわからない。犠牲者は吾が娘で、彼女に運転手君の熱心なイタリア語ガイドの聞き役を任せ、吾輩と友人の画家は好き勝手に興味ある風景や建物を楽しんだ。
サッシ地区の見学を終え、タクシーは昨日バスから降り立った場所に吾々たちを案内してくれた。フレンディーナ行きのバスは30分後ということで、チケットを購入してあたりをウロウロしていたが、吾輩がトイレに行きたくなった。キョロキョロしたが、らしきものはない。娘がチケット売り場で尋ねてくれると、鍵を渡してくれたという。どうやらトイレは地下にあるらしい。
とことこ地下に通じる階段を下りて、びっくりした。地下は鉄道のプラットホームだった。マテーラ中央駅は地上がバスターミナルで地下が鉄道駅なのだ。それにしても鉄道駅のプラットホームは本当に列車が走ってくるのか、疑わしいほどガラ〜ンとしていて寂しい。
フェランディー駅では、売店の女性と再会、片言の世界語で談笑した。今日の昼食は、3分間待つのだぞのインスタント・パスタとサンドイッチ、そしてコーラ。
出発時刻の午後2時少し前に売店を出て駅舎の前に立っていると、数分後にナポリ行きのプルマン(長距離バス)がやって来た。イタリアは道路事情が良い。高速道路沿いの町のバス停留所に数カ所止まりながら約三時間でナポリ駅前に着いた。
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