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尾道最古の画廊カフェ「孔雀荘」の精神は今も引き継がれて

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孔雀荘/Kujakuso


孔雀荘/Kujakuso

その後の経過報告

2022年8月25日(木)、松本宏子さん経営の「孔雀荘」が最後の日を迎えた。
この間、この「孔雀荘」を継承したいと申し出られた女性がおられるようだが、尾道新聞の記事によると、所有者である不動産会社(元松翠園)が「孔雀荘」の耐震性などに問題があるとして断られたようだ。松本宏子さんはすべての調度品等の引越しを余儀なくされ、現状の継承ができなくなった。
近年の尾道は、多くの先人たちが永く継承してきた「歴史」を惜しげもなくどんどん消し去っていった。その主役を果たしているのが、尾道市民が選んだ首長だ。ここ十数年の短い間に推し進めてきたスクラップ&ビルドが、市民の歴史文化への無関心を助長しているのとしたら実に哀しいことだ。
(2022年8月25日)

尾道の文化サロン、2度目の存続の危機


1993年、店主であった重田寿美枝さんの他界で、孔雀荘は閉店。その3年後に松本宏子さんが尾道移住を一大決心され、この店を引き継がれて現在にいたっている。
そして27年目を迎えた2022年の今年、松本さんは「孔雀荘」を8月25日に閉店されることを決断された。
歴史あるお店だけに、尾道人としては寂しい限りで、松本さんにお伺いすると、誰か後を引き継ぐ人が現れてくれれば嬉しい、とも思っておられるようだ。
そんなわけで、松本さんにちょこっと尋ねてみたら、孔雀荘は2階建の借家で、店内の内装・調度品等は現状のまま譲ることは可能だと話されていた。
写真の通り、孔雀荘の店内は、松本さん好みのウッディ(woody)感覚で、昭和時代のステンドグラスが映える。作家ものの木製椅子やベンチ椅子を合わせ24名の席があり、仮に折りたたみ椅子を加えれば30名は優に入れる空間だと、吾輩は思っている。
吾が飼い主が、猫である吾輩・路地ニャン公に向かって、いつものようにブツブツ独言を呟いていたが、要約すると、「尾道だからこそ、やる気があれば画廊喫茶だけでなく、文化人や音楽家、落語家などをお招きしての文化サロンとしても使えるのでは....」 と言っているよう感じたが....。
ここで、尾道市民の一人に飼われる身の吾輩ではあるが、孔雀荘27年間の経営を頑張ってこられた松本さんには、市民を代表して「ご苦労さまでした」と心より感謝したい。
それにしても、昭和に始まり、平成、令和と尾道の美術界に貢献し、89年間続いた喫茶「孔雀荘」も、また「」や「朱華園」のように幕を降ろすのだろうか。
尾道の奥深い歴史文化が、どんどん薄らいでいくのを感じるこの頃である。(2022年7月10日)

尾道最古の画廊カフェ


孔雀荘/Kujakuso

喫茶店「日の丸サロン」が西御所町に開店したのが昭和8年(1933年)、店主は重田夫妻であった。この店は昭和21年「孔雀荘」と改名され、現在の場所に移った。その後、この新店舗は、奥さんの重田寿美枝(1911-1993)さんの人柄に多くの人々が惹かれ、後に尾道名誉市民となった小林和作画伯(1888〜1974)を中心とした文化サロン「孔雀荘」として開花した。
以来、美術を志すものは、足繁くこの店に通うこととなった。やがて、この画廊カフェ「孔雀荘」で個展ができることが、芸術を志す若手作家の登竜門となったようだ。孔雀荘/Kujakuso

引き継がれた画廊カフェ「孔雀荘」


孔雀荘/Kujakuso
孔雀荘二代目店主/松本宏子さん

平成5年、重田さんの他界により、主人を失った「孔雀荘」は惜しまれながら、閉店せざるを得なくなった。
この話を聞きつけ、3年後の平成8年(1996年)、広島で金融関係団体に勤務していた今のオーナー松本宏子さんが一大決心の末、尾道に引越してきたのだ。
彼女は尾道の風景に馴染んだ外壁と1933年製ステンドグラスを生かした、新しい「孔雀荘」をスタートさせた。「孔雀荘」は再び、尾道に甦った。「孔雀荘」は今でも尾道周辺の若手作家の登竜門的な画廊カフェとして存在している。文字通り二代目となった松本さん手づくりのケーキセットを味わいながら、飾られた絵画を眺めながることで、尾道のエスプリに浸るのも良い。(2007年7月28日)

新型コロナウイルスに襲われた2020年



久しぶりに「孔雀荘」にやって来た。知りあいの画家が4年ぶりにこの店で個展を開いていて、今日がその最終日だった。個展の案内状を見ていたので、気にはなっていたが、グズグズして最終日を迎えた。ウイルス騒動で狭い空間に出入りするのを躊躇っていたのだが、意を決して足を運ぶことにした。知り合いの画家の名は高田三徳さん。彼は国画会会員で、この騒ぎで3月に予定されていた新国立美術館での展覧会は中止となった。
孔雀荘/Kujakuso
運良く、店の外で画家と会い、しばし立ち話をして店に入った。店内には4人くらいのお客と孔雀荘の店主とスタッフ1名。店主が気を利かせて、皆とは3〜4m離れた席に案内してくれた。席に着き改めて店内を眺めていて思い出した。新たな路地ニャン・サイトに載せていなかったことに気づいたのだ。高田さんの作品が飾られた店内の写真を撮ることにした。店主の写真は、女性なので吾輩もちょっと気を利かせて、以前撮った写真を使わせてもらった。ウイルス騒動で平日でも尾道の街を歩く人は少なく、町中閑散としている。孔雀荘/Kujakuso
(2020年4月15日)


孔雀荘の店内ご案内

孔雀荘/Kujakuso

 
尾道市西土堂町4-8 TEL 0848-25-2109   Pなし
営業時間/09:00〜18:00
定休日/火曜日(祝日は営業)
  • 孔雀荘/Kujakuso
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