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本当の話!!「尾道ラーメン」はいつどこで生まれたのか

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尾道ラーメンの起源/OriginOfOnomichiRamen


尾道ラーメンの起源/OriginOfOnomichiRamen

尾道ラーメンのルーツを探せ


ラーメンに個人情報保護法が適用されるとは思えないので、あえて吾輩・路地ニャン公が探偵となり入手した、「尾道ラーメン」の生い立ちにまつわる情報を公開しようと思う。

そもそも尾道の中華そばの老舗といえば、「朱華園」「つたふじ」「みやち」「一楽」といったところだろう。尾道市民から半世紀近く愛されてきた、これらの老舗のラ−メン屋さんの店内にかけられたお品書きは「ラーメン」ではなく「中華そば」だ。
これらの老舗の中でも「朱華園」(1947〜)は、全国的に有名で、尾道人は朱華園を愛称「朱」さんと呼んでいる。上記のトップ写真は吾輩の主人が大好物だった朱華園の『チャーシュー麺』だ。

朱華園の店内に入ると、下記の文章が刻まれている真鍮(?)の銘板を誇らしく掛けてある。
あらためて読んでみると、本質をついていることに路地ニャン公も脱帽だ。

 
作家・檀一雄 「旅」の一駒より

『尾道みたいな町では、とりたててどこの店、どこの食堂などということはないだろう。
 新しい魚だったら、そのほんとうの味を殺しさへしなかったら、うまいのが道理なのである。
 内海の魚に食傷気味の私は、久方ぶりに「朱」というラーメンを喰い、そのうまさにびっくりした。  尾道では、「暁」と言う、世界万国の洋酒をよせ
集めた居酒屋と、この「朱」というラーメン屋に、
おそれ入ったようなものだ。』
   


「尾道ラーメン」という商品名が誕生


今でこそ「地域ブランドづくり」は盛んだが、1980年代はといえば、「地域ブランドって何?」というのが当時の尾道の偽ざる現状であった。そんな中、1983〜4年頃、尾道の古浜町にある製麺所「株式会社はせべ」の先代の社長・長谷部 貴(はせべ たかし/1927-1993)氏が、おいしい尾道のラーメンを全国に広めたいという長年の夢を実行し、「尾道ラーメン」と名のラーメン製造、当初はデパートでの委託販売を行なったが、支払う販売手数料が嫌になり、この「尾道ラーメン」を武器に全国的に店舗開業支援並びに普及というステップアップした業態転換を行なった。これが「尾道ラーメン」が世に出た始まりである。このとき長谷部氏が作り上げた「尾道ラーメン」の定義[麺は平麺で、魚の出しを使った醤油味に背油を浮かべる]がその後広く定着したのだ。
その後10年の歳月が流れた1993年頃、尾道に隣接する福山市の鞆ノ浦にある株式会社阿藻珍味が「ラーメン」の大量生産による土産品づくりに取組んでいた。もちろんモデルは尾道の「朱華園」の中華そばであり、「株式会社はせべ」が展開している「尾道ラーメン」であるのことは、一目瞭然だ。麺とスープの製造は尾道市内のとあるI製麺所とTさんが担当したようだ。

尾道・老舗の中華そば


尾道ラーメンの起源/OriginOfOnomichiRamen
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幻の「福山ラーメン」


株式会社阿藻珍味では商品開発に目処がつき、商品のネーミングが問題とになった。当然、御当地の名前をつけようということになった。「福山ラーメン」がまず最初に候補に上がった。しかしながら、その当時は福山市民でさえ、「福山と云うてもだ〜れも知らんがな〜。」という福山の知名度であった。
その点、尾道は岡山県それとも広島県かは知らないが、あの林芙美子の、大林映画の「尾道」ということで有名であった。このバツグンの知名度を使わぬ手はない。結局、尾道の「株式会社はせべ」の了解を得て、「尾道ラーメン」の商品名で売り出すことに決まった。

老舗の店では、あくまでも「中華そば」という


そんなわけで、「尾道ラーメン」という商品名が、その後、尾道市内の業者から、全く縁もゆかりもない他県の企業まで巻き込み、さまざまな企業の思惑で仕掛けられ、「御当地ラーメン」のブームに乗ってブレイクするに及んだというのが真相だ。有名になると、猫も杓子も「尾道ラーメン」一色になってしまう。まっ、猫の行き交う尾道だから、それも当然かもしれないが...。いまでは市内の随所に「尾道ラーメン」の幟(のぼり)が目立つ。
尾道市内の情勢では「尾道ラーメン」の幟が圧倒的に林立するが、ともかくも、老舗の中華そば屋では禁句がある。くれぐれも『尾道ラーメン』とは云わぬこと。老舗でラーメンを食べたければ、たった一言『中華そば』、それが礼儀だ。
最後に、尾道に行きたいがなかなか実現できない。さりとて「尾道ラーメン」は食べたいな、というお方には、数ある通販の尾道ラーメンの中で、路地ニャン公がとっておきの情報をお教えしよう。

路地ニャン公のオススメ商品
それが『がんぼう尾道ラーメン』だ。


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