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大林宣彦映画の美術監督だった薩谷さんは大の尾道ファンだった。

薩谷和夫/SatsuyaKazuo


薩谷和夫/SatsuyaKazuo

無償の愛で描かれた尾道のスケッチ画


尾道を愛した薩谷和夫さんにとって、最後のスケッチ画となった尾道風景が13枚ある。このうち12枚を使って、(株)ビサン ゼセッションで絵はがき制作に取組んでいたが、完成直前の1993年1月6日、彼は永遠に帰らぬ人となってしまった。 この絵ハガキに描かれたスケッチ画を観ると、薩谷さんの美意識がうかがわれる。それは日常の尾道に本質的な魅力を見抜いていて、現在に生きる吾々尾道人に語りかけているようだ。その絵には、無償の愛が溢れている。
トップに出ている「尾道水道 真夏なり」のイラスト画は、薩谷さんが吾輩の飼い主に宛て送くられた手紙に描かれていたもの。 また薩谷和夫さんの似顔絵は、漫画家かわぐちかいじさんの実弟である川口協治さんが描いたものだ。薩谷和夫/SatsuyaKazuo

生きて生活している人が 尾道の風景を作りあげている。


薩谷和夫さんは尾道について次のように語っている。
『尾道へは、<転校生>の前にも何度か行っているんですよ。<ハウス>が終わったときに、打ち上げといいますか、大林監督がメインスタッフを尾道に招いてくださって、向こうで釣りをしたりして。小津さんの『東京物語』を見ていいところだなァって思ってましたから、お誘いを受けたときには迷わず行くことにしました。やっぱりよかったですよ、ちょっと違うんですね、ほかの 土地とは……。
それはね、”人”なんですね。たとえば尾道は古い町並みがいいなんてよく言われますけれども、よく見れば、昔のものってのはそんなにたくさんはないわけですよ。合成樹脂の塀なんか使ってるところもいっぱいあるんですね。そりゃあ住んでる人にしてみれば、そのほうが経済的だし、あの急な坂を運ぶのだって楽だし、そっちのほうが機能的にいいわけですよ。でも、そういうものを風景が呑み込んでしまうというのかな、古いものと新しいものが同じ場所にあっても異質に感じさせないという、空間の包容力が尾道にはあるんですね。……(中略)…… 尾道は、”人”が生きて生活している。それが風景を作りあげているから、新旧のものが非常にうまくとけ合っているんです。』薩谷和夫/SatsuyaKazuo

薩谷和夫Satsuya Kazuo(映画美術監督)のプロフィール


薩谷和夫/SatsuyaKazuo
1935年7月20日生まれ。本籍地東京都赤坂新町。永田町小学校、麹町中学校、明正高校、青山学院文学部入学後、中退。 東宝撮影所美術課入社、約18年でデザイナーとなり、「転校生」の年にフリー(第1作)。以後、尾道三部作をはじめ、大林宣彦映画監督との仕事が90%を占めた。
1993年1月6日病魔に襲われ他界。

■【出演】麗猫伝説 劇場版(1998)
■【脚本】日本殉情伝 おかしなふたり ものくるほしきひとびとの群(1988)
■【美術】 学園祭の夜 甘い経験(1970)、俺の空だぜ! 若大将(1970)、夕日くん サラリーマン脱出作戦(1971)、若大将対青大将(1971)、恋の夏(1972)、白鳥の歌なんか聞えない(1972)、卒業旅行(1973)、修羅雪姫(1973)、夕日くん サラリーマン仁義(1973)、野獣狩り(1973)、グアム島珍道中(1973)、急げ!若者(1974)、ゴジラ対メカゴジラ(1974)、血を吸う薔薇(1974)、阿寒に果つ(1975)、がんばれ!若大将(1975)、告訴せず(1975)、惑星大戦争THE WAR IN SPACE (1977)、アラスカ物語(1977)、愛の嵐の中で(1978)、ピンク・レディーの活動大写真(1978)、金田一耕助の冒険(1979)、トラブルマン 笑うと殺すゾ(1979)、すっかり…その気で!(1981)、帰ってきた若大将(1981)、転校生(1982)、コールガール(1982)、少年ケニヤ(1984)、F2グランプリ(1984)、廃市(1984)、天国にいちばん近い島(1984)、姉妹坂(1985)、四月の魚(1986)、彼のオートバイ、彼女の島(1986)、トットチャンネル(1987)、漂流教室(1987)、異人たちとの夏(1988)、日本殉情伝 おかしなふたり ものくるほしきひとびとの群(1988)、北京的西瓜(1989)、YAWARA!(1989)、ふたり(1991)、はるか、ノスタルジィ(1992)、私の心はパパのもの(1992)、青春デンデケデケデケ(1992)、脱出(1992)、喜劇 やさしくだまして(1992)など50本を超える。
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