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キャベツをバリバリかじりながら、熱々パリパリのひとくちの串カツを

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一口(ひとくち)/Hitokuchi


一口(ひとくち)/Hitokuchi

いらっしゃい!


暖簾をくぐると、威勢よいかけ声が客を迎える。串の「一口」は、定員14名。その狭い店内で、客は店主・山本明次さんの一挙手一投足をみつめる。41年間、カツを揚げ続けてきたその技には、お驚くばかりだ。見るからに火傷しそうな煮えたぎる油すれすれにまで串を運ぶ指、跳ね上がる油にも動ぜず、客の賑やかな談笑の中にも、耳だけは油の微妙な音の変化を聞き逃さない。
「串カツは耳が生命ですゎ。」
「この耳が聞こえんよんなったら、息子に譲りますねん。」と今年70歳(1937年生)を迎える山本さんはまだまだ元気だ。
昭和38年26歳で大阪から尾道に移り住み、この店を始めたのが翌年の昭和39年(1964年)というから古い。吟味した串カツのネタは、ザッと20種類。品書きには載らない逸品もある。
豊富な瀬戸内の魚介類を主人が目の前で、パリッと揚げる。その揚げる油にも秘訣がかくされているらしい。「自信はありませんが、仕事に誇りはもってます。自信には過剰があるが、誇りに過剰はありませんからねぇ。」
もともと寿司職人だけに、仕入れや仕込みには、いきおい力が入る。営業時間は夕刻の5時30分から11時までと短いが、仕入れ仕込みは朝の9時すぎには始まっている。

一生勉強ですわ。


カウンタ−に群がる客はお好みの生ビ−ルや冷やを飲み、キャベツをバリバリかじりながら、熱々パリパリの串カツを今か今かと待ちわびる。その合間、新たな客が入るたびに、みんな丸椅子をもっての大移動。主人「すんませんなぁ」、入ってきた客「すいませんねぇ」。隣さん「いやいや、どうも」。
折角だから、この際ちょっとだけその一例をご紹介することにしよう。写真は、サクサク感のある「キス」、レモン半分を絞りかけ、軽く塩を振ったあと向かって左側から食べ始めると一段とおいしい大きな「貝柱」、次は醤油がかけられ香ばしさが最高の「小いわし」、最後に冬場にしか食べられぬ「牡蠣」はこれはもう絶品だ!!
一口のお店では食べ方に流儀がある。何も云わず、ただひたすらにご主人のアドバイスに忠実であること、それが食べ終わったあとに有り余る満足感を得るコツだ。

新店舗で三代揃って頑張ってます!

狭い空間で、偉い人も普通の人も関係なくワイワイガヤガヤ、まさに尾道らしい庶民の肌感覚の「一口」。その馴染みの店が、54年という長い年月の思い出をぎっしり詰めて2018年12月24日ピリオッドを打った。そして山本家の三世代が揃って新たなスタートラインに立った。新開の路地が交わる三叉路角地の旧店舗から、徒歩2分くらい離れた広い道路に面した新たな場所で、2018年12月7日今風の新店舗「一口」をオープンさせた。店内が旧店舗より広くなり、見知らぬ客同士の何とも言えぬ親密感はなくなったが、82歳となった山本さんが、今も油の弾く音に耳を澄まして揚げる瀬戸の魚介類は、旧店舗と変わらず絶品で「うまい!」。
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