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西橋町は【西京町】と書く説もあるが

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西橋町/SaikyomachiAlley


西橋町/SaikyomachiAlley
荒神堂通りの一つ西側にあるこの路地は、海岸通りの金尾果物店のすぐ横を山側へ、本通り側からは、木造三階建ての元「福屋カバン店」から海側へと南北に通じる路地である。この路地には、「西京町」あるいは「西橋町」という二通りの名前があるが、いずれも「さいきょうまち」と読む。
その一つ、「西京町」と書くのは、尾道町には寺が多く西の京都の意味合いからそう呼ばれたという説、あと一つは、江戸時代にさかのぼるが、この付近に屋号「灰屋」の豪商橋本家の一族で、尾道町の組頭を務めた橋本家の「西灰屋」があり、「西の橋本」が省略されたものであるという説である。吾輩としては、「西の橋本」に由来した名前が有力であると思うのだが……。
西橋町/SaikyomachiAlley
尾道町の路地の多くは、路上植物園が両側に設置され(写真の一枚数年前の西橋町風景)どことなく大正、昭和の風情を醸し出していたが、路地が出店の対象となるにつれ、その面影は見られなくなっている。それでも西橋町は、まだ尾道の風情を感じられる路地空間だ。それは、仕立て屋の「テイラーアダム」や「金細工・岡本」といった何とも懐かしいし職人さんの店構えのせいかも知れない。これで、この狭い西橋町(さいきょうまち)に、次から次へと職人が住みついてくれれば、面白い路地になること間違いなし!
と上記の文章を書いて何年になるのか、はっきり覚えていない。思えば、尾道の路地に注目して店舗を出した走りが、尾道初のクレープ専門店「ワン モア クレープ」やカサリンガ(今のカサリンガ・ドゥ・ターブル)のオーナーで愛称「チェックの佐藤さん」こと佐藤和則さんだった。
20数年経った今、彼が予見していたように、尾道の路地にはどんどん魅力ある店が出来ている。この西橋町も例外ではない。2017年現在、この路地の本通りの西側角に「立花テキスタイル研究所」のサテライトショップがあったが、向島の尾道帆布工場の一角に移転し、現在は世界のビールが飲めるビールバー「クルー」となった。元「福屋カバン店」の木造三階建ての1階には、アトリエ、2階にショップが併設されたガラス作家が経営する尾道ガラス工房、路地の真ん中あたりには蕎麦通に好評の店、若夫婦が営む蕎麦処「笑空」がある。
と思っていたら、尾道ガラス工房は2018年には閉店、2019年2月にはそば処「笑空」もご主人が修行に行くといって閉店してしまった。馴染みの店がなくなるのは淋しいね。それでも現在、海岸側の角には2017年開店のヴィンテージ ラグ ショップ「Brücke」が頑張っている。最近の尾道は、店舗も目まぐるしく替わっていき、路地もどんどん変化していく。
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