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割烹料理店から居酒屋、そしてお好み焼き屋へ

お好み焼あぐさ/OkonomiyakiAgusa


お好み焼あぐさ/OkonomiyakiAgusa
尾道夏祭りの一つに「祇園さん」と呼ばれる歴史ある祭りがある。吾輩がおぼろげに覚えている昭和30年代頃の尾道祇園祭りは一週間あまり続く大掛かりな祭りであった。
「お好み焼きあぐさ」は、この祭りで馴染みの喧嘩神輿と呼ばれる三体神輿が納められている久保八幡神社の明神社に通じる小路(明神さん)に面しいる。この店は、昔「二三吉(ふみきち)」という割烹料理屋だった。店の看板を見るとその歴史が一目でわかる。一番古いのが「割烹料理 二三吉」で、その次は「居酒屋あぐさ」、一番新しい看板が「お好み焼あぐさ」である。
今も元気にお好み焼きを焼かれる店主の阿草さんは今年で80歳(昭和2年生まれ)。終戦直後から始めたと云う割烹料理の店「二三吉」時代は、芸者さんもいた尾道の賑わいを見続けて来た。そして「居酒屋あぐさ」を経て、今から10年くらい前から「お好み焼あぐさ」を始めたと云う。
メニューは11種類だが、具はお客の好みでいくらでも増やせる。季節によっては旬の具が変わるので、事前に「いま、どんな具が?」と尋ねた方が良いだろう。お好み焼きは隠し味に豚の背油を使い、卵(この店では卵は2個、贅沢だ)の同志打ちでコツンと合わせて割る。 焼き方はもちろん尾道風である。(2006年)

「お好み焼あぐさ」は、築島小路の喫茶オルタナの前くらいにあったが、建物も姿を消し、もう何年が経過したか定かでない。2019年7月現在は更地になっている。
  • お好み焼あぐさ/OkonomiyakiAgusa
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