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アカデミックな尾道市民が考える尾道のまちづくりとは?

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尾道の将来を考える会活動/CityhallProblem05


尾道の将来を考える会活動/CityhallProblem05

尾道の将来を考える会とは


「尾道の将来を考える会」は、尾道在住の末永 航(美術史家、広島女学院大学国際教養学部教授)、西河哲也(地域プランナー)、岡河 貢(建築家、広島大学大学院准教授)とサポーターらによって構成されているアカデミックな団体だ。 この団体は、過去三十数年の間に尾道のまちづくり活動に吾輩が関与してきた尾道じゅうにん委員会、出会いの装置製造本舗、クラシック音楽を楽しむ会、尾道の歴史的景観を守る会、そして亀田市長直属の諮問機関「尾道観光市民会議(1995〜1997)」などに共通するまちづくりのベクトルがある。その目指す方向とは「尾道の日常空間(生活)の質を高めること」であり、彼らは尾道が歴史的文化的都市としての本質的な輝き放つことを夢見る仲間たちだった。
平成26年5月14日、青柳正規文化庁長官が「浄土寺」に来訪されたとき、尾道市長に「尾道はアマルフィ(イタリア)のような国際観光都市になったらいいですね。」といわれたと山陽日日新聞が伝えたが、その本質的な意味を尾道市は認識し得たのだろうか。
今から四半世紀も前、浄土寺下に高層マンション建設の動きがあった。その当時、尾道市も尾道市議会もマンション建設が尾道の活性化だと信じて疑わなかった。当時の市議会議長は、「千光寺山の山頂から見たらマンションが建っても、風景には別に問題ではない。」と言い、当時の商工会議所副会頭で後に尾道市長となった亀田良一氏は、「尾道は香港のようになれば良い」と言ったという。両者とも尾道の歴史的都市景観を守るということには反対の立場をとった。
尾道の将来を考える会活動/CityhallProblem05
大半の市民はただ傍観するばかりで、唯一、日暮兵士郎会長率いる「尾道の歴史的景観を守る会」が孤軍奮闘し、尾道を愛する精神的市民と一部の在住の尾道市民だけの力で建設をストップさせ、3億5千万円で建設用地を買収し、その場所に尾道白樺美術館を建てた。
その10数年後、日本中に「世界遺産」ブームが湧き上がった。尾道市長となった亀田良一氏は、ようやく「世界遺産」は必然的に尾道の歴史的景観を考えることだと理解したようだ。やがて世界遺産課が新設され、その動きが現在の歴史的風致維持向上計画事業の礎となった。(毛利和雄著「世界遺産と地域再生」(新泉社)に詳しく記載されている。)
それから更に10年の歳月が流れ、市長も変わった。平成25年7月、尾道市は唐突に尾道市庁舎整備検討委員会を結成し、市庁舎新築計画の是非を諮問。その検討内容の議事録を見ると、一部の異論を無視して強引なまでに新築案を取りまとめている。そして一方では、まちづくり推進課の「歴史を生かしたまちづくり」の必要性を説くシンポジウムなど、何のためらいも無く背反する方向性をもつ事業を同時期に市民に展開してきた。まるで、巨大な市庁舎を新築することが尾道の活性化だと言わんばかりだ。歴史を再び逆行させるのか、尾道市の文化度が問われている。
尾道の将来を考える会は、『知恵を使い、歴史を味方に尾道の魅力をどのように創造し、その魅力を次世代に繋いで行くか』を尾道市民とともに 考えようと、さまざまな勉強会を開催している。
写真は増田友也設計の尾道市庁舎と公会堂、2014年10月号の建築ジャーナル表紙(国立競技場と尾道市市庁舎の問題が取り上げられている)

第4回勉強会『オノミチ・まちづくり講演会』−どのようにして米子市公会堂は残ったか−


■日時:平成26年12月22日(月)午後7時〜[参加]無料
■会場:しまなみ交流館1F 市民ギャラリー
■主催:尾道の将来を考える会か
講演者:藤木竜也氏(千葉工業大学工学部建築都市環境学科 准教授)
尾道の将来を考える会活動/CityhallProblem05

米子市公会堂の事例


尾道市とほぼ同規模の米子市で、建築家・村野藤吾の設計による米子市公会堂(築年1958年)が、平成22年3月に耐震性能がIs値=0.15と発表され、公会堂は使用停止となった。それに対し市民側は「米子市公会堂の存続と早期改修を求める市民会議」を発足し、さまざまな活動を通じて公会堂存続を訴えた。その結果、3度の大規模改修を経て、平成26(2014)年3月にリニューアル・オープンした。
尾道市公会堂と米子市公会堂のデータ比較(H26/10月現在)
尾道市の人口(143,652人 64,462戸)
米子市の人口(149,934人 65,005戸)
尾道市公会堂の設計者:増田友也(築年1960年)
⚫︎新築当初の客席数1,561席 改修後の現在1,055席(1,045席、車椅子10席)
⚫︎総工費1億8,292万円(うち1億300万円が市民・企業から寄付)
⚫︎その後の改修工事(1)2007年内装改修工事費 2億4,045万円⚫︎耐震性能を調査せず、平成26年10月解体を決定
米子市公会堂の設計者:村野藤吾(築年1958年)
⚫︎新築当初の客席数1,428席 ⚫︎改修後の現在1,126席(1,120席、車椅子6席)
⚫︎総工費1億7,600万円(うち5,242万円が市民・企業から寄付)
⚫︎その後の改修工事(1)1980年増改修工事費10億1,000万円(2)2014年設備・耐震改修工事費15億円⚫︎耐震性能はIs値=0.15と発表し使用禁止に。その後、市民運動により2度目の改修で平成24年3月リニューアル・オープン
◾️尾道市公会堂から約2km圏内の他のホール
(1)しまなみ交流館(築1999年)690席
(2)尾道市民センターこころ(築2009年)400席
◾️米子市公会堂から約2km圏内の他のホール
(1)米子市文化ホール(築1990年)672席
(2)米子コンベンションセンター大ホール2004席・小ホール300席

[過去の勉強会]


◼️第1回勉強会「新しい尾道の市庁舎を考える」-歴史を生かした建築と経済的な耐震補強は可能か-
研究報告:岡河 貢(建築家、広島大学大学院准教授)/司会進行:末永 航(美術史家、広島女学院大学国際教養学部教授)、 西河哲也(地域プランナー/東京工業大学非常勤講師)
平成26年3月5日(水)午後7時〜/会場:しまなみ交流館1F 市民ギャラリー尾道の将来を考える会活動/CityhallProblem05

◼️第2回勉強会「新しい尾道の市庁舎を考える」-歴史を生かした建築は尾道でどのように可能か-
シンポジウム「市庁舎本館・公会堂と増田友也(設計者)の建築的価値」
パネリスト:松隈 洋(京都工芸繊維大学教授)/松本静夫(建築史家)/岡河 貢(広島大学大学院准教授)
コーディネーター:末永 航(広島女学院大学教授)/司会:西河哲也(東京工業大学非常勤講師)
平成26年3月16日(日)午後3時〜4時30分/会場:尾道商業会議所 2階 議場(尾道市土堂1-8-8)
◼️第3回勉強会「新しい尾道の市庁舎を考える」-歴史を生かした建築と経済的な耐震補強は可能か-
研究報告
日比野 陽(広島大学大学院 建築耐震工学研究室 准教授)/岡河 貢(建築家、広島大学大学院 准教授)
平成26年8月26日(火)午後7時〜尾道中央図書館2F 視聴覚ホール
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