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路地裏のお好み焼き店、これこそ尾道らしいね。

お好み焼き/Okonomiyaki> お好み焼おかの/OkonomiyakiOkano

お好み焼おかの/OkonomiyakiOkano


お好み焼おかの/OkonomiyakiOkano

興味津々の店ではあるが借りた猫


路地裏のしかも初めてのお好み焼き店は、興味をそそられるが、一般的に入りづらい。何故か。第一に、表通りの店に比べほとんどの店舗は店内が見えない構造になっている。見えないから、ついついどんな店なのか、あれやこれやの想像だけが先走り、頭でっかちになる。頭だけでっかくなると当然身体のバランスが崩れてしまい、足下が不安定となり、前に一歩進みづらいというわけだ。
第二に、客層がご近所の妙齢ではなく、ほどほどの年配の御婦人方で、そのコミュニティの中に無断で入ると、一瞬の内に、吾輩一人が意識過剰の固まりとなって、俗にいう『借りてきた猫』状態だ。勧商場のすぐ東の路地裏にある「お好み焼 おかの」がそうだった。あそこは「いいよ」と聞いていただけに早く行ってみたいとは思っていたが、なかなか足が進まなかった。今日は、行くぞと心に決めて、昼時を少し外して決行した。お好み焼おかの/OkonomiyakiOkano

格子にガラスの引戸を開けて店内に一歩踏み入れた。先客が二人、お好み焼きを食べながら店主と談笑している。客席は丸い椅子が4脚。2脚には堂々たる体躯のご婦人方が腰掛け、1脚にはその一人の手荷物が置かれていた。吾輩が座れる1脚はあるのだが、てっぱんにかぶり付きのカウンターには少々窮屈すぎて座れない。
遠慮がちに椅子を引き寄せ、入口を塞いだ格好でとにかく腰を下ろした。腰を落ち着ければ腹も決まるというものだ。いつものペースにならなくてはと、自分に言い聞かせ、話の口火を切ると、あとは吾輩本来の調査の手順にそって店主も打解け、話も弾んだ。結局、電話帳にも載せていない店の電話番号もスクープできた次第だ。

美味しさは、山のようなキャベツにあり


店先には「広島風」と書かれているが、実際は「尾道風」で一般的に尾道で見られるようなお好み焼きをコテで鉄板に押さえつけて焼くことはしない。この「お好み焼 おかの」の美味しさの最大の特徴は、大量のキャベツにあると確信している。
キャベツは単に山のように置けば良い、というものではない。千切りに細く切られたキャベツは甘みが出ないのだ。キャバツを幅5〜6mmの幅に切ることが 美味しさの秘訣という。そして薄く溶いた生地をさらに薄くてっぱんにのばし、その上にびっくりするほど山のように置かれたキャベツ、次に天かす、麺、肉と重ね置きして、再び上から薄く溶かした生地を垂らすのだ。こうしてしばらく熱々の鉄板に置かれるのだ。お好み焼おかの/OkonomiyakiOkano

巨大な山がじわじわ凹み、頃合いを見てコテでお好み焼きを裏返し、押さえることなくじっくりとキャベツが甘みを出し尽くすまで、さらにてっぱんの熱で焼いていく。
焼き上がると、ソースや青海苔などお化粧していない、素っぴんのお好み焼きが注文客の前に差し出され、お好きにどうぞという具合。あとはご想像にお任せしよう。(2011年3月25日)
  • お好み焼おかの/OkonomiyakiOkano
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